こんにちは!寝屋川市のヘルパー弁護士、はちかづき法律事務所の塩見恭平です。

弊所業務のかなり大きな割合を占めるのが「交渉」です。

交渉って割と難しいんですよね。実際に自分がうまくできているかどうかはともかく、交渉時にこんなことを考えているということを文章化しようと思います。

つまるところ、交渉ごとは

①自分の求めるライン
②相手が求めるライン

の差があるから起こると思っています。

 

例えば、当方請求側で①1000万円の請求、相手が②根拠がないから0円(支払わない)という主張を行っている場合。

このままだと自然に解決することは通常あり得ません。

 

そこで、両者の主張の間のいずれか、もしくは別の軸からの妥協点を見つけつつすり合わせすることが大事になってきます。

 

 

単純に①②の真ん中!500万円!!で済めば話は早く、弁護士などいらないんでしょうけど。。。

 

少なくとも弁護士のところに来るご相談でそんな単純な話はほとんどありません。

 

 

そして、裁判を行い、100%勝訴の判決をもらう場合以外は、何らかの妥協を行い和解する必要が出てきます。

 

なので、ご相談の段階から、

・どこまで①ご相談者自身の主張を軟化させることができるか

・別のベクトルから、ご相談者有利な事実、相手方不利な事実を引っ張ることができるか(武器があるか)

を加味し、落とし所を考える作業が大事になります。

 

このあたり、結構早めにご説明することが多いですね。

当然、当方に有利な事情が大きければ大きいほど強気で行けますし、逆もまたしかりです。

 

 

また、最終的に裁判になった場合、

・どれくらい勝ち目があるか
・勝てたとして、どれくらいの金額勝てるか
・回収のめどはどれくらいあるか

なども見ておく必要があります。

 

その見立てがどれくらい正確にできるかがプロの業なのではないか、と偉そうにも思っております。

 

 

徹底的にやる!という案件もないではないですし、その覚悟がないと事件を受けてはいけないと思っていますが、調整、交渉で話が早く済めばそれはそれでいいことなんですよね。

妥協点を見つけるのが難しい件、防衛ラインが高すぎる件などは必然的に時間がかかり、交渉で終わらせる(裁判手続き中に和解で終了する)のが難しくなります。

 

 

 

なお、しばしば相手に代理人がついて内心喜ぶことがあります。

それはいい意味で落とし所がわかる、ゴールが何と無く見えるという点からです。

双方代理人が依頼者のために最大限有利になるように努力しつつ、法的に無理なところは無理、互いに譲るところは譲って妥当な解決を目指すことができればいいですね。

 

これは別に、八百長の話ではありません。
法律家同士であれば、(通常)裁判で行くとこまで行けばどういう結論になる、ということを予想しながら話できることが多いということです。

不利な点を不利である、と自分の依頼者に言って説得に動いてくれるという期待があるということです。

なお、

・相手とこちらの見立てが大きく異なる場合
・代理人の先生が当事者よりなぜかヒートアップしてしまっている場合

にあたると余計に疲れたり・・・